<ファイルNO.1 バチの動き>
” バチが抜けているのに釣れない! ” とか
” 同じポイントで前に釣れたのにぜんぜん釣れない! ”
というアングラーは多いかと思うが、今回のレポートは”バチ抜けで釣る” ための
参考としてまとめたものである。
バチ抜けで
にょろにょろを使うと一度釣れたからといって、
いつも同じルアー、アクションではダメだということが以下の内容でよく分かると思う。
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2010年5月22日の釣行時、
赤潮が発生。
その赤潮の影響で、日の入り後の潮止まりで
夜光虫が発生。
そのため
海面に動いているものが発光する現象が起こる。
この時期バチ抜けが発生しており、普段は表層で漂っているバチの動きをかすかな
海面に当たる光で確認する程度しか見えなかったが、
バチが夜光虫により発光する
ため、表層だけでなく目先10m程度先までの表層直下のバチの動きが手に取るよう
に確認できた。
ちなみに現場で漂っているバチは ”
赤バチ ”である。
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確認できたバチの動きは概ね下記のパターンである。
パターンA:
直線的に高速で泳ぐ (ときには強烈に水面を押すときもある)
<レンジ:表層~表層直下>
パターンB:
ゆっくりと直線的に泳ぎ、たまにくねくねとターンする。
<レンジ:表層~表層直下>
パターンC:
くねくねとゆっくり動きながら泳ぐ
<レンジ:表層直下>
パターンD:
行ったり来たりとイレギュラーな速度で泳ぐ
<レンジ:表層直下>
普段 目視で主に確認できるのは、パターンA と B の表層の場合だけだ。
また、
オープンエリアでは パターンA が多く、岸近くや障害物周りでは
パターンD が多い。
ここから考察できることは次の通り。
・同じポイント・時間帯でも、いつもバチの動きは同じではない。
・潮の状況などにより、突然動きを変えるときもある。
・同じポイントでも泳いでいるエリアにより動きが違う。
以上の結果、見えているバチの動きに似せてルアーを動かしてもヒットしないのは
表層直下で動いているパターンA や B そして パターンC や D のバチを
シーバスが捕食しているときで、パターンC や D のバチをハードルアーで動きを似せる
のははっきり言って無理に近い。
バチが見えている、ボイルが多発しているのにアタリがないのは、そのせいかもし
れない。
現場では自分から10m前後離れたエリアで、パターンBの表層直下 で泳いでいるバチで
引き波を立てないので普段は目視できないが、バチが夜光虫のお陰で結構目に入り、
目に付いたそれらを見ていると数秒後にことごとくシーバスに捕食されていた。
そこでそのようなバチが見えた瞬間に、そのバチがいる付近に同じような速度・レンジ
でルアーを引いてみるが、どうしても真横の本物のバチだけを捕食し、ルアーにバイトは
してこなかった。
これはなぜか?
更に良く見てみると夜光虫のお陰で分かったが、
ルアーが夜光虫で光るのは、ルアーを
強く引いた場合のみ先端の水を押している部分だけだが、本物のバチの場合は、ゆっくり
泳いでも体全体が満遍なく光ってた。
それは恐らくバチの体の両サイドにある鞭毛が無数に動いているからだと思われる。
バチのこの全体的に微動な動きと振動がシーバスに捕食スイッチを入れているのかも
しれない。
ルアーではこの微動な振動が出せないのが問題である。
それゆえ、たまに捕食を失敗したようにルアーをシーバスが水面で弾くことがあるが、
これはすでにバイト寸前に微動な振動が無いため、 ”
違う” とシーバスが見切っている
可能性もある。
これが正解なら、例えば
細めのシンペンで両サイドに毛などが付いているルアーが有効のような
気がするが、
ルアーメーカーさん、どうでしょうか?
あとは魚に本当に臭覚があるならば
臭い も要因のひとつとして考えられる。
以上のことから、私が考える、バチ抜け時のシーバス狙いを狙うメソッドは
1.まずは、見えているバチの動きを良く観察する。
2.バチの速度、動き、レンジに合わせてルアーセレクト、アクションを行う。
3.ルアーアクション、カラーを色々変更する。
4.レンジを変更する。
5.アタリが頻繁にあれば、そのレンジに特化したルアーに絞る。
6.アタリが遠のけば、2~5を繰り返す。
以上の1から6の順番にローテーションするということ。
ただし、それでも釣れない場合に必要なのは
やる気と
時間だけだ。
まず、”
釣れないときは諦めが肝心 ”
などと言う人は初めからルアーは
やめた方が良い。狙って釣る、考えて釣るのがルアーフィッシングであり、
運に頼るような人は向いておりません。
以上、今回は赤潮・夜光虫のお陰で普段は目視できないバチの動きが
よく観察できる良い機会であった。